こんにちは、うりちきです。
前回レポートでは、陣痛促進剤と麻酔を開始したものの、なかなか産まれないまま結局分娩台で就寝することになってしまいました。
さて4本目のレポートでは、分娩台での起床からスタートし、ようやく分娩となります。
また記事の最後におまけとして、分娩直後〜就寝までの身体の具合や過ごし方について軽く触れてありますので、よければそこまでお読みくださいね。
▼前回記事(麻酔処置&陣痛促進剤開始について)はこちら▼
40w2d(予定日+2日)
8時頃 起床&内診(子宮口5cm)
日付が変わって40w2d、爽やかに分娩台で起床。
今日は担当の先生が午後からしか来られないということで、午前中は代打で院長先生が内診してくれます。
今日は担当の先生が午後からしか来られないということで、午前中は代打で院長先生が内診してくれます。
子宮口の開きは4〜5センチ、早速この日の陣痛促進剤を再開します。
また、本日1本目の注射を打たれました。
前日夜から麻酔は続いているので、陣痛等の痛みはほぼありません。痛いのは注射だけです。
9時頃 内診&今日2本目の注射(子宮口6cm)
2本目の注射を打ち、内診すると子宮口は5〜6センチに。
「やっぱり(子宮口を)柔らかくする注射が効いてるね」とニヒルに笑う院長先生が頼りになります。
ここで、リラックスするために、持ってきていたCDをラジカセで流してもらいました。
LDR室ならDVDも見られるそうなのですが、今回はいきなり分娩台行きだったために断念。残念。
昨日は麻酔を開始してすぐに子宮口が開き出したように、スムーズなお産の進行に”気持ちのリラックス”は本当に重要なようです。
聴き慣れたCDや落ち着く音楽がある方は、是非持っていくことをおすすめします。
(しかし好みの音楽を他の人に聞かれるのって、なんとなく恥ずかしいのは私だけでしょうか)
10時頃 内診&今日3本目の注射(子宮口6cm)
3本目の注射、子宮口は6センチのまま。
胎児はまだうまく回旋出来ておらず、相変わらず横向きになっています。
回旋:ぐるぐる回ること
胎児は通常、頭を下に、顔がお母さんの右腹を向いた体勢となっていますが、お産が進行すると縦長の出口を通るために、顔がお母さんの背骨を向くように回ります。
ちなみに頭と首が出たら、次は肩を出すためにまた元の横向きに回るのだそうです。
11時頃 内診&今日4本目(通算7本目)の注射(子宮口7cm)
4本目の注射、昨日から累計7本目です。
肩の内出血(注射跡)が派手なことになってきました。写真を撮っておけばよかった。
子宮口は7センチ、ようやく進んできました。
先生曰く、どうやらこれまでほぼお産の兆候がなかったり子宮口の開きが悪かったのは、平均よりかなり子宮頸管が長くてしかもしっかり硬いタイプだかららしいです。
子宮頸管:子宮の下の方にある、赤ちゃんがいる子宮から腔につながる筒状の部分、これが短いと『切迫早産』と診断されることがあります
ちなみに母も昔似たようなことを言われたそうで、遺伝もあるのかもしれません。
12時頃 内診(子宮口8cm)
毎時間の内診とカテーテルにも相当慣れてきました。
子宮口は8センチ、ここに来て順調に進んでいます。
「このペースだと夕方頃かな」などと考えながら、家で待つパートナーにLINEで状況報告します。
今日はここまでずっと普通にスマホが触れるくらいの余裕があります。
13時頃 内診&胎児を手動で回される(子宮口8cm)
午後になって担当の先生が内診にきました。
子宮口の開きはいい感じ(8センチ)ですが、やっぱり胎児がまだ横向きということで、中に手を入れられて頭をぐいと回されます。
こう書いていると随分痛そうですが、麻酔のためほぼ痛みは感じませんでした。
「サポートしてあげると回るけど張りが来ると戻るから、何か引っかかってるのかな? 体勢を変えてみようか」と、右腹を下にしたり、左腹を下にしたり、分娩台の上でくるくるさせられます。
「でも近づいては来てるから、長丁場だし少しでも寝ておきなさい」という指示、昨日からずっと使っているホットアイマスク(既に冷えてただのアイマスク)をつけて、15分程ひと眠りします。
お世辞にも寝やすいとは言えない分娩台ですが、もう慣れたものです。
13時20分頃 張りが強まる&麻酔追加
張りが割と痛くなってきました。
手元のボタンで麻酔を適宜足すように指示、3回程追加します。
お腹の中から押される感覚が次第に強くなり、なんだか違うものをもよおしそうだなと少しだけ心配になります。
(何とも言えない話ではあるのですが、お産と同時にもよおしてしまうことはよくある事のようですね。病院によっては事前に下剤を処方されることもあるようですが、少なくとも今回は特に何もありませんでした。どうしても気になる方は先に相談しておくと良いかもしれません。)
13時40分頃 急に降りてきた感覚(子宮口10cm)
急に子宮口が10センチ開きました。胎児が降りてきて、内側から押されるような感覚が一層強くなります。
想定外の進みに、周りで助産師さん達がバタバタと慌てて準備を始めます。
今回立ち合い出産を希望していたのですが、急いでパートナーを呼ぶように指示、「もうすぐだって」とLINEしましたが、家から病院まではタクシーで最速20分かかります。
立ち合い希望の方は、近くのカフェ等で待機していた方が良さそうです。
14時頃 今にも生まれそうな感覚
「あ、そろそろ出てくるな」という感覚が自分でも分かります。
先生いわく「頭がもうそこに見えている」とのこと。
少し力を入れたら何かが出そうな感覚と、胸あたりまで圧迫される感覚、痛みは全く0ではないですがほぼ気にならないレベルです。
ちなみに麻酔は、『痛みは消えるが感覚がなくなるわけではない』ので、胎児が降りてくる感じや圧迫感はしっかり感じられます。
お産の進行を痛みに邪魔されずに感じられる、非常に興味深い体験となりました。
14時15分頃 いよいよ分娩へ&会陰切開と吸引
取り上げる準備ができていよいよ分娩へ
担当の先生は勿論、院長先生、助産師さん達たくさんに囲まれて、なんだか壮観だなと呑気に思う余裕があります。
張りのタイミングでいきむように指示、いきみに合わせて院長先生がお腹を押します。
会陰の一部硬いところに引っかかるということで、会陰切開して吸引機が入れられましたが、これも特に痛みは感じません。
14時24分 赤ちゃん誕生
数回のいきみで思ったよりスムーズに赤ちゃんが誕生しました。
切った会陰をそこそこ長い時間縫われて、中も一部裂けているところを縫合、膣内に止血用のガーゼをたらふく詰め込まれました。
色々処置されているはずなのですがほぼ痛み0です。改めて麻酔の力はすごいと思いました。
**おまけ(産後〜就寝まで)**
産後は、立ち合いの場合しばらくパートナーと赤ちゃんと分娩室で過ごした後、入院する自室へ車椅子で運ばれます。(ちなみにうちのパートナーはぎりぎり間に合いました)
麻酔を切ってから6時間後の20時30分頃から歩行可能に、特に痺れ等の問題もなかったので身体は少し重いですが部屋を自由に歩き回ります。
切開した会陰がそこそこ、下腹部が少し痛かったので、ロキソニンに加えて痛み止めの座薬と入眠剤を処方してもらい、泥のように眠りました。
山王バースセンターの場合、基本夜間は母子別室なので、朝までぐっすり眠ることができます。
山王バースセンターにはパートナーも一緒に宿泊できる部屋もあるのですが(ちなみに当時はコロナのため宿泊不可)、その場合は赤ちゃんも夜間同室だそうです。
また母親のみの場合でも入院中一泊は夜間対応の訓練のため夜間同室がありました。
おわりに
以上、長くなりましたが山王バースセンターでの無痛分娩のレポートでした。
私の場合は想定よりも分娩にかなり時間がかかったためか、それに伴うマイナートラブルも多く、特に浮腫は回復が意外と長引きました。
それでも産後の身体の楽さや、途中麻酔が切れていた間の尋常でない辛さを考えると、もし今後2回目の出産があったとして麻酔一択ですね。
無痛分娩が受けられる時代に生まれて、本当に良かったです。
さて、次回は補足情報として産後のマイナートラブルについてお話しします。
上にも述べたように、私の場合は「浮腫」がかなり酷く、また「尿意の鈍化」や「火照り」「片頭痛」といったトラブルがありました。
また、今回の出産に関する情報(準備する物や入院中の生活,費用面等)は、後日改めて別記事でまとめます。
最後に、このレポートが特に麻酔を使用した分娩を予定している方の参考となれば幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。