こんにちは、うりちきです。
前回までは、4回に渡って山王バースセンターでの無痛分娩レポートをご紹介しました。
今回はその補足として、出産直後から産後1ヶ月頃までの『産後の肥立ち マイナートラブル編』について記録しておきます。
まず結論から言うと、私の場合は以下のような感じでした。
- 分娩日当日から、個室内を歩き回れる程度には回復
- 麻酔が切れてすぐ、最も痛かったのは会陰切開の傷
- 後陣痛は生理痛くらいの痛み
- むくみが人生最大(2週間程度継続)
- ホルモンバランスの変化による自律神経の乱れが1ヶ月程度続いた
これらのマイナートラブルについて、「どんな症状だったか」「どれくらいのしんどさだったか」「どのくらい続いたか」など、覚えている限り詳しく記載します。
また、麻酔が切れた後の体調や経過も合わせて載せているので、無痛分娩を行う方の参考となれば幸いです。
出産当日:分娩後の流れと体調
分娩を終えた時点で麻酔を切り、完全に効果が切れるまでは(個人差あるそうですが)6時間程度かかります。
6時間後に麻酔が切れたかどうか歩行チェックがあり、問題なければ自由に動いて良いことになります。
ちなみにシャワーは翌日からなので、気になる方はボディシートなどを持参すると良いでしょう。
分娩後に麻酔を切った後の経過まとめ
2時間後:疲れか興奮のためか、全身が火照って暑かった。
2時間半後:個室のベッドに横になれたが、手足がすこしプルプル震え、末端に冷えを感じた。
《1時間程仮眠をとる》
4時間後:夕食を食べる。お尻から腰にかけて痛みを感じる。特にお尻(会陰)が痛くてまっすぐ座れず。
5時間後:処方されたロキソニンを飲む。麻酔用のチューブ(背中)を抜かれるが特に痛みなし。
6時間半後:麻酔が切れたか歩行チェック。問題なし。点滴用の管(腕)を抜かれる。
7時間後:自力でトイレに行けた。スーツケースから荷物を出して部屋に設置する。
8時間後:痛み止めの座薬を入れる。後陣痛で下腹部が少し痛み始める。入眠剤を飲んで就寝。
出産当日のマイナートラブル
麻酔によるトラブルは特になし
麻酔による頭痛や吐き気などの症状は一切なし、手足のプルプル感も仮眠後には治っていました。(この震えは麻酔の影響ではなく、分娩時に全身に目一杯力を込めたせいかもしれないですね)
一般的な『麻酔によるマイナートラブル』については、過去記事「無痛分娩のメリットとデメリット」にも載せていますので合わせて参照してください。
痛み:「会陰切開」「排尿痛」「後陣痛」
この時、とにかく痛いのは会陰の傷です。
トイレには行けるのですが多少しみて、ペーパーで拭くと、笑えるくらい腫れているのが分かります。”ラグビーボールのように腫れる”と表現されることも多いですが、個人的には形状や大きさが”レモン”だなと思いました。
また私の場合、丸二日カテーテルをしていたので、排尿の際に尿道が多少痛みました。
更に就寝頃から後陣痛が始まりましたが、こちらは生理痛程度の痛みです。
これらはいずれも、ロキソニン+座薬で耐えられるくらいの痛みでした。
後陣痛とは
分娩後、子宮が元に戻ろうと縮む際に起こる痛みのこと。
痛みの感じ方には個人差あり、ほとんど感じない人もいれば陣痛並に辛い人も。
ホルモンバランスの乱れによる火照りや冷え
加えて、痛み以外で気になったのは、火照りや冷えです。
これは産後のホルモンバランスの乱れが原因と見られ、ホルモンによる心身の不調はこの先増えていきました。
産後のホルモンバランスの変化
妊娠継続のためにどんどん分泌が増えていた女性ホルモン(プロゲステロンやエストロゲン等)ですが、分娩後にほぼ0まで急減少します。
これにより、下記を一例とした更年期障害のような症状が出やすくなります。
身体的影響…肌荒れ、抜け毛、疲れやすい、汗をよくかく、急な火照りや冷え
精神的影響…イライラする、よく眠れない、気持ちが沈む
このホルモンバランスの乱れによる不調は、1〜2ヶ月である程度おさまることが多いようです。
しかし特に母乳育児の場合、母乳を生成するためにホルモンバランスが平常時と異なるので、不調が長引くことが多いと言われています。
▶︎関連:産後ガルガル期
出産翌日以降のマイナートラブルと、その経過まとめ
会陰切開の傷
会陰切開の傷の痛みは、分娩日を10とすると翌日には3〜4程度に。
痛み止めさえ飲めば、ほぼ普通に行動できるレベルに回復しました。座る際には円座クッションが欲しいな、くらいの痛みです。
この先、日を追うごとに痛みは落ち着いていきますが、傷が引きつる感じは産後1ヶ月程度続きました。
後陣痛
後陣痛は翌日も変わらず生理痛程度の痛みで、温めると少し楽な気がします。そのため入院中は『蒸気で温熱シート』を肌着の下腹部に貼っていました。
一般に痛みのピークは出産当日〜3日後頃と言われていますが、私の場合、退院する頃にはさほど気にならなくなりました。
痛むタイミングとしては、授乳中が最も痛みました(子宮を収縮させるホルモンの”オキシトシン”が分泌されるため)
むくみ
分娩中丸2日の点滴で、全身のむくみが人生最大です。
特に足のむくみが酷く、入院中は大体いつもメディキュットを履いていました。
退院後もなかなか治らなかったので、着圧ソックスを「起床時用」と「就寝時用」の2本用意して常に装備、更にパートナーにマッサージもお願いしました。
産後2週間くらいでそこそこマシになり、完全回復までは1ヶ月はかかったかと記憶しています。
尿意の鈍化
長時間のカテーテルの影響で、産後は尿意をほぼ感じませんでした。(排尿感もほぼ無し)
このマイナートラブルも退院後しばらく続き、たしか回復に2週間程度かかったかと思います。
むくみ対策のために、利尿作用のある漢方が処方されたのですが、尿意がないので時間を決めてトイレに行っていました。
悪露
産後からしばらくは悪露が出ます。代表的なマイナートラブルです。
私は量が多かったのか、病院からもらった悪露パットを、入院中に使い切りました。
ちなみに山王バースの場合、申告すれば悪露パットは追加をもらえます
(2022.9追記) この後の『無痛分娩費用』の記事のため、領収書を改めてチェックしていたら、しっかり追加パット代も入院費に含まれていました。一年越しに気がつきましたよ、わはは。ちなみに600円です。入院中に余った分は是非持って帰りましょう。悪露が少ない方も、後々夜用ナプキンとしても使えます。ちなみに赤ちゃんのオムツなども『お世話代』に含まれているので、こちらも余りは必ず持って帰りましょう。
量は分娩日をピークにどんどん減少していきますが、退院後もしばらく続くので、自宅に悪露パットか夜用ナプキンが必要です。
パットが必要なレベルかどうかは個人差があるので、入院中に経過を見ながらAmazonでポチれば良いと思います。
これまでしばらく生理がなかったので、ナプキンの在庫は要チェックです。入院前に是非一度確認を。
私は1週間程度でそこそこ落ち着いてきていたのですが、産後2週間の時点で急に大量出血し、再度病院で内診を受けることになりました。
幸いにして大事はなく(溜まっていた分が一気に出ただけ)、悪露はその後しばらく続いた後、産後8週間程度でなくなりました。
ホルモンバランスの乱れ
分娩日当日から火照りを感じ、よく汗をかきました。シーブリーズなど、清涼感強めのボディシートが嬉しいです。
また退院後は自律神経の乱れから、いわゆる”産後ハイ”に。
午前中は良すぎるくらいに調子が良く、動きすぎて昼過ぎ〜夕方頃にはガス欠に、夜は気分の下降や片頭痛が酷いという日が続きました。
特に私の場合、光刺激が頭痛を誘発するので、スマホをほぼ見られませんでした。
『産後はあちこちからお祝いメッセージが来る & 買い物や調べ物などが必要 & しかし画面を見ると頭が割れそうになる』の3コンボが本当に辛かったです。
明け方の震える寒気と不意な火照り+片頭痛は1ヶ月程度続き、気分の落ち込みと合わせて、個人的に嫌なマイナートラブルNo.1でした。
片頭痛が起きた時は、保冷剤等で頭を冷やしつつ、暗くて静かなところに籠るのが一番楽でした。
(私はしょっちゅうトイレの個室を占拠していました)
ホルモンの乱れは1ヶ月では治らず、特にメンタル面への影響は、産褥期程酷くはないものの数ヶ月は続きました。(火照りや片頭痛などの身体的影響は1ヶ月強で良くなりました)
私の場合、とにかく不安感が強く、赤ちゃんと二人きりが平気になったのは産後6週間くらい経ってからでした。(そのためパートナーに育休の延長をお願いしました)
このメンタルの落ち込みは、非常に辛かったですが、産後の一時的なものなので、無理をしなければ時間と共に回復してきます。
無理をして頑張り過ぎたり、サポートのない状況での育児は、回復を遅めたり、『産後うつ』となる可能性を高めるそうです。
是非パートナーの方には、出来るだけ産後のお母さんに寄り添って頂きたいと思います。(是非産前にお二人で下記の書籍を読んでみてください。産後のドタバタイライラ期に亀裂を生まず、仲の良い二人であり続けるためのヒントが書かれています。良本だと思います)
おわりに
今回は、分娩直後から翌日以降にかけての体調や過ごし方と、産後マイナートラブルについてご紹介しました。
- 麻酔を切って3〜4時間で痛みを感じ、6時間で歩行可能に
- 分娩当日に最も痛かったのは「会陰切開の傷」、ついで「後陣痛」は生理痛程度
- 会陰切開の痛みは分娩当日をピークに日に日に回復、傷の引きつり感は1ヶ月程続いた
- 後陣痛は退院頃にはほぼ気にならないくらいに回復(大きく個人差あり)
- 靴を履けないほどの足のむくみ、2週間程で多少落ち着き、完全に治るには1ヶ月くらい
- 尿意や排尿感を感じづらくなる、回復に2週間くらい
- 悪露は1週間程で一旦落ち着くも退院後に大量出血し、再度診断を受けた(大事に至らず)
- ホルモンバランスの乱れにより、火照りや冷え、片頭痛、気持ちの落ち込みが酷く、特にメンタルは絶不調に
- 火照りや片頭痛は1ヶ月強で治ったが、心の不調は数ヶ月続いた
こうまとめてみるとトラブルだらけなように見えますが、麻酔分娩ということで体力の消耗的なダメージは少なかったのだと思います。
実際私も分娩に丸二日かかったにしては、身体的な疲労感などはたいして感じませんでした。
全身に力を入れるのも本当に分娩の瞬間だけなので、よく聞く『産後の筋肉痛』もありませんでしたね。
身体的な不調で言えば、むしろ産前の臨月の方が辛かったです。
また体力的に余裕があるからか、ホルモンバランスなど他に不調があった時に、「あぁ今自律神経が乱れてるなー」と客観視して対処できたのも良かったですね。
ただし、余裕があるからといって動き過ぎは本当に厳禁です。
産褥期(産後6〜8週間頃まで)は可能な限り横になって、身体の回復に努めてください。
産後は赤ちゃんのお世話や細切れ睡眠が否応なく始まるので、体力ゲージが0に近い状態からスタートするのは本当に本っ当にキツいと思います。
特に里帰りせず、夫婦2人で赤ちゃんのお世話をする予定の方は、是非一度は無痛分娩も検討してみて欲しいと思います。
今回の出産レポートや当ブログが、検討の助けとなれば幸いです。
さて次回は、入院のために準備する【持ち物リスト】についてお話しします。
「個人的に持っていって良かったもの」「先輩ママからの意見」「山王バースセンターで指示されたもの・病院に用意があるもの」「無痛分娩ならではの準備と心構え」等々から、私個人が厳選した持ち物リストとなりますので、是非参考にしてみてください。
ここまでお読み頂きありがとうございました。